マイケル・ジアッキノ/オリジナル・サウンドトラック 『モールス』
マイケル・ジアッキノ/オリジナル・サウンドトラック 『モールス』

 『パンズ・ラビリンス』を大絶賛していたスティーブン・キングが大絶賛していた、ということでかなり期待していた『ぼくのエリ』のリメイク。リメイクじゃなく原作が同じハリウッド版という話もあるけれど、映像的にも音楽もかなり意識していると思われるのでリメイク、ですませていいかな、と。

 冒頭、いきなりハマーフィルムが製作であることが明示され、一気にテンションが上がる!
 いやぁ、復活してたんですね、ハマーフィルム…。

 でも最後まで観た感想は…基本的には『ぼくのエリ』の圧勝…。
 サントラ聞くかぎりではオリジナルに比肩する切なく美しい楽曲だけでなく、オリジナルにはない初恋のドキドキワクワクの盛り上がりを表現した楽曲もあり(あと不穏な曲も…)、かなりよかったマイケル・ジアッキーノ音楽も、本編ではあまりよい使われ方をしてない。
 いかにも作りものっぽいサラサラした雪の描写も残念。
 そしてオリジナルでは涙が出るほど美しかったラストのプールのシーンも、やけに安っぽい。
 全体的な映像はこちらの方がクオリティが高いのだけど、肝心なところがいまいち…。
 
 そして改編部分。
 オリジナルでは中年男女のちょっといい話で、病院でのシーンもぐっときたのだが、今回はホラー寄りの描写になった結果、なんの感情も動かされないシーンに…。
 そしてなにより、ほんのちょっとだけど設定をはっきりさせすぎたせいでヒロインが悪女にしかみえなくなったのが痛い、笑 こんなことを繰り返していくんだね~というだけの話になってしまっている。とはいえそれでもなお魅力的なクロエ・モレッツはさすが!オリジナルでは最初の印象はこんなのがヒロインか、というところからちょっとずつきれいにみえてくるという不思議さがあったが、今回は最初からかわいい、笑 これなら悪女でもすすんでだまされちゃうかもしれない!笑

 そんなわけで映画としてはダメなハリウッドリメイクの典型だけど、クロエ・モレッツを楽しむ分には充分な作品。スティーブン・キングのおすすめはあまり信用しきらない方がよさそうだ、笑