「どう、どう、どうどうどう!」

 『風の又三郎』ではない。劇中、松方弘樹が女を犯す際に発する雄叫びである。なんといってもこの映画、イケイケのヤクザの親分を演じる松方弘樹が抜群に格好いい!「マラボケ」と菅原文太演じる刑事に言われながらも前述の雄叫びをあげながらバックで男らしい突きを入れ、相手をへろへろにさせてしまう。部下にもらす「性教育もしんどいもんじゃのう」も名言。男とはかくありたいものである。

 刑事とヤクザの微笑ましい癒着と、梅宮辰夫演じるエリートかつ悪徳な刑事の登場により迎えるその終局を笑ってしまうくらい過剰な表現で描く。演出も演技もテンションが高い。競っていいところを持っていこうとしている。前述の松方のシーン、川谷拓三の拷問(尋問だっけ?笑)シーンと白状したあとの粋(…?)なはからい、梅宮の「朝の体操をしよー」、その他印象的なシーンが散りばめられた、当時の東映映画の勢いがダイレクトに伝わってくる大傑作。