普段、書き溜めている映画や本の気に入ったセリフなどの一部を思いつきで羅列してみる。
 押井守の言う「言葉のコレクション」というやつだ。さすがに押井監督はいい言葉をコレクションしてて、『イノセンス』の引用は素晴らしいものばかり。

「人はおおむね自分で思うほどには幸福でも不幸でもない。肝心なのは望んだり生きたりすることに飽きないことだ。」

「孤独に歩め…悪をなさず 求めるところは少なく…林の中の象のように」

「忘れねばこそ思い出さず候」

 これらは単独の言葉でも格好いいし、「聖霊はあらわれたまへり」は使いどころが的確で泣かせる。たぶん引用ではない言葉としては「幸せか?」との問いに対しての「懐かしい価値観ね」が素敵だ。押井監督と言えば『うる星やつら』のメガネのセリフ回しも最高だった。長くなるので全文引用は難しいが、「立ち食い蕎麦はかけに始まれかけに終わる」とか「私の名はメガネ」にはじまる意味のあるようでたぶんない長セリフはまさに「声に出して読みたい日本語」だ。『パトレイバー』の「一見何を考えてるんだか分からんところがあるが実際何を考えてるんだか分かりゃしねぇ」も言いえて妙。

 とやってると押井守ばかりになりそうなので、映画から。
「人に拒絶されないためには、先に拒絶することだ」 『楽園の瑕』

「訓練ならば中断したが 俺たちに訓練はない」 『シルミド』

「コレ俺ら絶対、地獄行きだな」
「少なくとも俺ぁ落ちるな」
「でも…まあ、そんならそうで一緒に行こうな」
「……おう」 『DOA2 逃亡者』

「いつ帰ってくるの?」
「早ければ来月には帰る。遅くとも盆には帰る。迎え火を焚いて待っていてくれ」 『十三人の刺客』

 『DOA2』はなんか「必殺シリーズ」にも通じる感じで、いいなぁと思える。これを言うのが哀川翔と竹内力というのもナイスだ。『十三人の刺客』はまさしく日本人のセリフ。死ぬかもしれないということをきれいに表現している。

 「必殺シリーズ」には名セリフが多すぎる!のでほんの一部。
「どうせ極楽へは行けねえ俺たちだ、会えば地獄だろうぜ………生者必滅会者定離、あばよ!」

「世の中裏目ばっかりよ」

「付き合いは短いほうが楽しいぜ。長生きしろ、あばよ~」

 最後に一応本からも少し。かずは不覚にも泣かされた『クロスファイア』から。
「通じるはずの心なんか、最初からどこにも存在してなかったんだ。」

「幸せというのは、いつだって点なんです。なかなか線にはならない。」

 で、とりあえず本日のしめはこちらで。

「みんな独り。それがいいのさ」 『一夢庵風流記』