新仁義なき戦い 謀殺

 『明日の記憶』観て渡辺謙が格好いいと言ってるまわりの女性ほぼすべてにすすめてるのがこの作品、笑。『ラストサムライ』での演技より数倍格好いいと私は思います~。
 映画そのものも新たなシリーズと言うわりにタイトルの後ろに「。」をつけて微妙に逃げ腰な2000年製作の作品と違って、「仁義なき戦い」を名乗っても許せちゃうくらいいい出来。画面がVシネっぽくチープになる部分もあるけど、作品のもつ力がちゃんと補ってくれている。
 監督は東映久々の社員監督・橋本一。ドラマ『相棒』でけっこうよい仕事をしていて、このあとに撮った『極道の妻たち 情炎』もなかなか見ごたえがあった。これからの活躍を期待したい監督の一人。
 主演は渡辺謙と高橋克典。武闘派と知性派の兄弟分、心は通じ合ってたはずの二人の関係が次第に変化していくのは観ててつらく、そして泣ける。小林稔侍は旧作での金子信雄の役回り。いやらしい親分を生き生きと上手に演じているし、東映実録路線全盛期の頃はほんのチンピラ役だった彼が親分役かぁということで感慨深くもある。その他では渡辺謙の妻を演じる夏木マリが抜群の存在感!20年前の『里見八犬伝』ですでに凄かったが、年を重ねた凄みも加わり「人間は・・・おっとろしい生きモンや」というセリフを吐くシーンでは、思わず「確かに」とうなずいてしまうくらいおっとろしい、笑。
 冒頭からおおっ!と思わせる襲撃シーン、そして格好よすぎるスローモーション。
 ストーリーが意外に込み入っているのでわかりにくいところもあるが、要所要所にはさんだ渡辺アニイの暴れるシーンでだれさせないようにもっていき、クライマックスまで一気にみせる。そしてラストは『仁義なき戦い』第一作へのオマージュを込めたシーンでしびれさせる。
 心意気がなによりうれしい、そんな映画。