現代やくざ 人斬り与太

 途中まで観て思った。これはラブストーリーだと。
 で、最後まで観てもやっぱりラブストーリー、でも強姦して売り飛ばした男と被害者の女にこんな恋愛感情って生まれるもんかな?というのがあるのである意味ファンタジー。ってことはラブ・ファンタジーか、笑。
 深作欣二1972年の監督作。大傑作『博徒外人部隊』と『仁義なき戦い』の間に撮影していることになる。なるほど88分と短い時間を勢いで埋め尽くしている(メリハリがないというわけではない、念のため)。冒頭から小気味よい映像(カットバックって言うのかな?)と菅原文太の調子のよいナレーションで画面に引き込まれる。
 内容は簡単に言えばチンピラが成り上がって転落するまで、よくある話、わかりやすい。で、菅原文太の暴れっぷりも一つの見ものなのだが、それよりも渚まゆみとの絡みに比重を置いてるという印象が強い。冒頭であっさり済ませたかと思っていた出会い(というか田舎から出てきた渚まゆみを集団強姦だけど…)も、売春婦になった彼女と再会してからの回想シーンという形で丁寧に描かれる。売春婦になってからの渚まゆみのたたずまいが何かリアルで(知り合いに一人いるものでその人に雰囲気が似てるってだけだけど…笑)、胸にくるものがある。
 で、赤飯…。あっさり描いているけど、想像するといたたまれない。こういう恋愛はできないなぁ、たぶん。
 
 安藤昇先生はいつも通りステキでございました。