HAZAN

 えー…思い入れありすぎます。映画として冷静に評価している気がしません、笑。
 最初のシーンからウルウルきてました。『シルミド』観て最初のシーンから泣いたと言う友人がいるけど、思い入れが強いと別にドラマの盛り上がりとは無関係に泣きポイントがあるもんですね。映画そのものもよかった!波山の作品のように気品があって、手をかけた部分を上品に何気ないようにみせて、静謐な緊張感のある良作。こういう伝記映画ってどうしてもナレーションに頼ってしまうものだけど、この作品ではナレーションはない。セリフもかなり少ない。音楽も控えめ。映像で語る。正直ここまでちゃんと映画になってるとは思わなかった。
 冒頭、窯焚きのシーン。波山と弟子たち。炎を見つめる波山、場面切り替わって寝てしまっている弟子たち。窯焚きはまわりの酸素が不足気味になるので眠くなるんですねぇ~。で、画面いっぱいの炎にリンチェイ『SPIRIT』の音楽にも似たけっこう燃える音楽。良いね~。
 映画は金沢での教員生活(担当は高村光雲仕込みの木彫)をやめ、陶芸家を志し、貧困生活の中での製作活動を経て認められる(ラストにスポンサーになる青年実業家・光村佐三は出光佐三がモデルでしょうね…てかわざわざ変名する必要あったのか?)ようになるところまでを描く。
 「夫婦窯」の築造とかもちゃんと描いてる。やっぱりこういう奥さんの存在って大きいよなぁ。今の時代、この映画の波山みたいなことしてたら、あっと言う間に愛想つかされますよ!途中最大の泣きどころは妻まるの見せ場。米屋(寺島進!)に金が払えなくて「いくら立派な茶碗作ったって中に米がなきゃしょうがないじゃないか!」と毒づかれてのまるのセリフ「私は中にお米が入ってなくても立派な茶碗がいいんだ!」。子供たちも健気…涙。
 そして現田市松との出会い。現田のただものじゃない雰囲気、この役者さんロクロもかなり練習したんだろうなぁ。そして葆光彩の完成。世間的にも認められはじめる予感を静かに漂わせて映画は幕を閉じる。
 いや、本当にいいもの観ました!録画したけどDVDも買っちゃおうかな(ここまでよく出来た映画になってるとは思ってなかったからDVDは買ってなかった)。やっぱり男は仕事だよ!頑張りましょう!