昔書きかけてた感想に加筆して更新の遅れを取り戻そう!笑

 東映映画。ビデオ屋さんでは『狂った果実』の横に置いてあったが、別種の映画。『狂った果実』の方は何となく文学的な表現のようでもあるが、『狂った野獣』って…。あ、でもこの作品の内容を考えると一般市民(なのか彼らは…?という疑問はちょっとあるが)もそもそも“野獣”であって、強盗をしてしまうような主人公たちはどこかが狂ってしまったのだと考えれば意外に意味深いタイトルとも言えるか。
 強盗に失敗した川谷拓三と片桐竜二がジャックしたバスには、目が悪くてテストドライバーをクビになって宝石強盗をして逃走中の渡瀬恒彦、教師とその教え子の母親(不倫中)、チンドン屋などなど個性的な人々が乗っていた!しかも運転手は心臓病で極度の緊張に耐えられない!という素敵な設定。香港映画『野獣たちの掟』にもちょっと似た設定(やっぱり“野獣”ですか…笑)ながら、走るバスの中で展開されるドラマは妙な緊張感に満ちている。
 運転手が死に、代わりに運転をする渡瀬恒彦。二人組の強盗が「捕まってもいいから止めてくれ」というのを説得し暴走。ほとんどギャグである。東映映画らしく警察がひたすらバカのように描かれる。カーチェイスシーンは無意味にパトカー同士でぶつかりあうし、包囲したと思ったら道を一本封鎖してなくて「バス、ただいま通過」と間抜けな報告するし…。怖いくらいに執念深い室田日出男演じる白バイ警官もやはり…おバカ。バス横転シーンは大型免許を持ってる渡瀬恒彦が自ら運転。主演が自らスタントということで格下の川谷&片桐もつきあわざるをえなくてすごくびびったというのはちょっといい話。
 75分くらいという短さもあって、ほとんどだれることなく突っ走る。とても若々しいエネルギッシュな作品なのだが、監督は当時すでに地位を確立していたと思われる中島貞夫。お祭りのような馬鹿騒ぎと、その後の余韻が一気に味わえる。