サボテン・ブラザース

 久々に観なおしてみた、私の今まで観た映画のナンバー1♪名作中の名作だ!
 話の基本は『七人の侍』とかと同じ、虐げられた村を救いにやってくる3人の男たち、というもの。ユングによれば三人で一組の神は宗教史上におけるひとつの元型であるという。そして神の来訪と帰還は神話や伝承といった物語の基本構造でもある。そうこの作品はもはや神話だ!(←たぶん言いすぎだ)
 西部劇のパロディという感じだが、まだ西部劇を知ってるスタッフがかなり残っていた時代の映画だけあって、なかなかに本格的。まず音楽がエルマー・バーンスタイン!『荒野の七人』とかで有名だが、あのワクワクするような曲調はここでも健在。今ではディズニーの音楽担当としてすっかり有名なランディ・ニューマン(新作『カーズ』も担当)は劇中流れる歌3曲の歌詞と共同脚本を担当。「歌う木」の声もあてている、笑。スティーブ・マーチンの映画はどれもこれも音楽の使い方が絶妙(ミクロス・ローザの遺作でもある『四つ数えろ』とか)だが、この作品はその中でも5本の指に入るだろう。(この作品のサントラが近日発売される♪下部のアマゾンへのリンク参照。私はもちろん予約しましたよ) 悪役を演じるアルフォンソ・アラウは『ワイルドバンチ』にも出てたらしく、西部劇としての風格を感じさせるのに一役買っている。この人、監督もするみたいで『ヴァージン・ハンド』とか『雲の中で散歩』とか妙に豪華キャストの映画を手がけてる。格好いいな。エキストラというか酒場のガンマンとか悪役部下たちも何となく古きよき西部劇を感じさせてくれる面がまえ。
 ニセモノがホンモノになっていく過程は観てて鳥肌がたつほど格好いいし、感動的でもある。
 きりがないので内容にはあまり触れないでおくが、たとえバカでも突き詰めることで何かが得られるというのがこの作品のテーマだ。いやむしろ何かを突き詰めようとする行為は周囲からはバカにしかみえないかもしれない、しかしそこには何かがあるだろうと根拠のない希望と勇気が沸いてくるそんな明日への活力になる映画だ。最高だ、アリーバ!

PS みなさんの今まで観た映画ナンバー1は何ですか?映画好きであるほど決めにくいかもしれませんが、自分の生きる指標とかそういう基準で。好きな映画一本で自己紹介するという気分で教えてもらえればうれしいです。

Three Amigos
Various/E. Bernstein
B000G04UBO