アイランド 特別版

 ものをあまり考えたくない、そんな時にはハリウッド超大作でも観てみましょう。きれいな女優さんが出ていればなおよし。ということで『アイランド』。
 とりあえず、ということで観てみたもののなかなか退屈しないで楽しめた。もちろん突っ込みどころも山ほどあるが、もしかしたらそれが退屈しないで済んだ原因かもしれないし、劇場の大画面で観ればそれなりに迫力でごまかされるだろうから、無問題。
 ネタとしては藤子F不二雄のSF短編を最近読んでたのもあって、だいたい読めるもの、というか宣伝段階でネタバレしてなかったっけ?でSFとしては前半までしかもたないと判断したのがマイケル・ベイのえらいところで、中盤以降は得意のアクションに路線変更。黒人の傭兵とかが格好よく出てきて、アクションを派手にする役割を見事に果たす、笑。でも傭兵はもう少し格好よく描いてほしかった。あれじゃあ最後までただ格好つけてるだけでしょや。反面、キャラ立ちしまくってるのがスティーブ・ブシェミ!出演部分は少ないものの出てる間は映画の空気を変えてしまうナイスガイ。一つ一つがネタなので触れるのは避けよう、笑。主演のユアン・マクレガーは二役を見事に果たしてる、役者ですね。スカーレット・ヨハンソンはかわいい。外界に出てきて無垢というか無知というか、そんな感じをうまく演じてる。彼女とブシェミの絡みはもっと観たいぞ!ということで二人とも出ているそのうち『ゴーストワールド』でも観てみますか。でも主演ソーラ・バーチだから二人の絡みはあまりないのかな。
 けっこうエグい描写が多いとのことだったが、それほどでもなし。マイケル・ベイは「ポール・ヴァーホーベンという人でなし山脈を越えられるか?」とけっこう昔の「映画秘宝」の記事にあったが、今回の作品を観る限りではまだまだ越えてない。悪趣味が笑えるところまで昇華されてない。とはいえ、現在の延長線上であることを感じさせる近未来描写やとりあえず派手なアクション、それなりに重いテーマを扱いきれないと踏んだかスパイスとして使う程度にとどめ娯楽映画に徹したあたりは評価すべきだろう。大きいスクリーンで観たら、☆4つくらいつけちゃったかもしれない。