ソウル攻略

 トニー・レオンの軽いノリが楽しめる軽い感じのアクション映画。『インファナル・アフェア』とかでどよよーんとしてしまった後に観ると中和できるかも、笑。

 『東京攻略』の続編。前作もそうだったけど、アクションは多め、トニー・レオンも珍しくアクションをみせるし、そのキャラクターも悪くない、あとは美女が出てきて目を楽しませてくれ、脚本もそれなりに練られている・・・にも関わらず何かイマイチ、笑。全体的に平坦な印象で、面白いんだけど盛り上がったりはしない、惜しいなぁ。アクションシーンなんかはけっこう気合が入ってるし、「♪せっかくの温泉日和が台無しだ~」という演歌調の歌にあわせての温泉内での格闘も笑えるし、スー・チーは若手韓国女優3人がかりにも負けてないかわいらしさを振りまいて男装姿もみせてくれる!
 悪い部分があまり見当たらないのだが、あえて言えば登場人物の誰1人として本気にみえない、ということだろうか。飄々としたトニー・レオンはそういうキャラだとして、貧乏でお金第一なのよ!という女泥棒スー・チーには切実さは感じないし、リッチー・レンも『ブレイキング・ニュース』の渋さと『星願』の情けなさの演技を行ったり来たりして落ち着かない、笑。だから脚本が案外よく出来てるにも関わらず、真相がわかったときの衝撃もないし、アクションシーンの緊張感もない。あえてそうすることがこのシリーズの狙いなのかもしれないけれど・・・。

 まあ肩の力を思いっきり抜いて、シーンごとに楽しんでいれば終わると言う気楽な映画で、観て全然疲れないというのは香港映画としては貴重かも。でも香港映画にはついつい熱さを求めちゃうんだよなぁ・・・。

 あ、音楽が布袋寅泰『新・仁義なき戦いのテーマ』のまるっきりのパクリで、笑えます。