バレットモンク

 というわけでチョウ・ユンファが「チョウかっこいい!!」、『バレットモンク』です。
 これ、レンタル解禁直後の新作の時に借りて一度観賞済み。その時の感想は、まあ微妙なもので一度観れば充分かなぁという感じだったのだけど、久々に観直してみた。
 理由は簡単。
 スティフマイスターことショーン・ウィリアム・スコット祭りじゃ~!!! こういう風に全然違う(と思っている)方向の趣味がめぐりあっている作品は嬉しいもの(『ピンクパンサー』でスティーブ・マーチンとジャッキー・チェンの共演が実現していれば狂喜ものだった)。香港映画とアメリカのおバカ系コメディの邂逅。それほど大した作品でなくても愛しく思える。

 ・・・いやぁ、密かにこの映画で観てたんですね、S・W・スコット。私としては最初に彼を観ていたのが本作ということか。なんでも映画館でアルバイトをしていて演劇に目覚めたとのことで、映画館でバイトをしている本作での役柄とちょっと重なるものがある。本作ではわりとシリアスな演技・・・というかはっちゃけてない。『アメリカン・パイ』でのようなバカ笑いをみせてはくれないのが残念だが、ユンファとの絡みは面白いし、ところどころに突っ込みどころがあるので楽しい。
 最初に観た時は白人2人もまあ邪魔にならない程度に活躍しているけど、きっと出世しないで終わるんだろうなぁ~とか思ってたけれど(失礼・・・)、2人ともわりと出世してるのね。ジェイミー・キングは『シン・シティ』でミッキー・ロークに一夜の愛をあげる高級娼婦役だし、S・W・スコットはこれから主演作が目白押し状態(IMDB参照)。

 しかしやっぱりこの映画のメインはチョウ・ユンファ。
 同じ悟りの域に達したような役柄でも『グリーン・デスティニー』より、茶目っ気のあるこういう役の方がはるかに魅力的(映画自体もこっちの方が『グリーン・デスティニー』より好みだったりする、笑)。若者をかまいながら導く、こんな役が今のユンファには合っているのかもしれない。

 内容自体はまあ無難なところ。でも途中とラストで交わされるホットドッグ問答が深くはないけれど、「諦め」と「諦念」の微妙な違いを表現していて好ましい。そして何よりそのラストでの問答時、老けメイクを施したユンファの格好いいことときたら! いい映画だったなぁと納得させられてしまいます、笑。