恋するブラジャー大作戦(仮)

 アメリカンなおバカが続いてますが、ここらで香港おバカ映画をひとつ、笑。

 監督はパトリック・レオン。『ワイルド・ブリット』で共同脚本を手がけた人、と言えば期待が高まるが、 『花都大戦 ツインズ・エフェクトII』の監督でもある、笑。『花都大戦』はそれなりに楽しませてもらったけど、ジリアン・チョンのかわいさと美味しいところをもっていくジャッキー御大はじめ豪華な出演陣の魅力、でもたせている感じだった。本作は地味目なキャスト、アクションもなし、ということで演出力が問われるところだが・・・かなり微妙な感じ。ユンファやアンディやシンチーがバカをやってたひと昔前の香港映画の雰囲気で、今でもこういう映画が作られているというのはうれしいのだが、おバカに徹しきれてないし、無理やり盛り上げるパワーもない。まったりと楽しい作品。男、それもラウ・チンワンにルイス・クーが究極のブラジャー作りに挑む!というストーリーに爆裂するバカさを期待しすぎてしまったので、ちょっと肩すかし。冒頭、2人の出社シーンはいい感じだったんだけどなぁ。

 でもこの監督、女優をきれいに撮るのは得意みたい(脚本担当の『ワイルド・ブリット』にこの人のカラーは何か出ているのだろうか・・・)で、ジジ・リョンの見事なツンデレぶりを魅力的にみせている。劇中、彼女がしょっちゅう「!?」という高い声を出すのも、耳に残る、笑。他にも園児の格好をしてみせたり、サービス満点です。
 
 全体的な雰囲気は楽しいのだけれど、彼女がいるのに上司のカリーナ・ラウに恋をするラウ・チンワンとか、もてるけれど(もてるから?)女性の扱いがけっこうひどいルイス・クーとか素直に楽しめない部分もあって、演出が妙に情緒的だから気になった。複雑な部分はなくして、ただただ幸せな映画にして欲しかった。