パプリカ

 アニメで「夢」「ヒロイン」とくれば当然『ビューティフルドリーマー』をはじめとする押井守作品が想起されるわけで、途中まではそんな感じなのかな~と思っていたらラストは『もののけ姫』のダイダラボッチ?という感じで、でも渋~く終わる。理解を超えてはいないのだけれど、なんだったんだ!?というまさに夢でもみてたような印象の作品。

  監督の今敏。『東京ゴッドファーザーズ』がアニメならではの表現は控え目ながら、きっちりまとめつつも映画してますね!と言いたいくらいよく出来たオチが素晴らしかった。今回は・・・アニメならではの映像にこだわりすぎたのでは?最初のうちは「おー!!!」という感じで楽しめるのだけれど、しだいに見慣れてしまうし中盤はストーリーを転がすためのシーンが続くので、やや中だるみ。もうちょっと出し惜しみした方がよかったかなぁ。静かにはじまって徐々に「夢」が侵食してきて、ぶわーっと溢れ出す感じ・・・ってそれじゃあ『ビューティフルドリーマー』そのままか。もしかして、そうならないためにこんな作りになったのか?

 そんなわけではじめっから映像的に飛ばすので、日常のようで非日常という不思議な感覚は味わえない。その代わりこれでもかというくらい凝った映像が展開されるけれど、予告編以上のものがあるか?となるとちょっと微妙。ただそのへんは演技達者な声優たちや、平沢進による音楽が補っており、感動はないものの最後まで楽しく観ることができる。原作を読んでからだと、もうちょっと違う楽しみもあったかも。

 ↓若干ネタバレ↓
 ヒロインに振られちゃう刑事さんにバトーさんこと大塚明夫を配するあたり、やっぱり押井守を意識してるのかな、と思うのは穿った見方でしょうか、笑。