仕立て屋の恋

 あの・・・これ観て共感しちゃっていいんですか?

 !ネタバレ気味ですが、反転させません。また『愛してる、愛してない』に関する記述も含まれます。ご注意を。!

  パトリス・ルコント、1989年の作品。翌年の『髪結いの亭主』ではこれでもかというくらい女性を美化してみせていたが、今回は一見そうなのかな?と思わせつつも決してそうはならない。現実を突きつけてくれる。それでも「喜びをくれた」と言って恨んだりはしない主人公の気持ちが痛いほどわかってしまうのは・・・恋愛不適格者の烙印押されかねませんね、笑。恨むだろ、普通! 私はもちろん共感しまくりですよ。自覚してます、笑。これが傑作と思えちゃう人には勝手に親近感を抱きます。(あ~、なんか今回のレビューは痛い自分を晒してますか?) シンクロ率90パーセント以上で観ることができたと思いますが(理解不能なのは泣きたくなると娼婦に会いに行くという部分。「娼婦は抱かない」と言ったってねぇ・・・1人で悶えろよ!)、恨んでないというのは本当だと思いますよ。窓際の彼女がみえたことに幸せすら感じたことでしょう。

 オチに到るまではルコント流理想の女性像描写。のぞき・ストーカー・痴漢という中年主人公の変態行為を一定の距離は保ちながらも容認する素敵な若い女性。そりゃ、主人公がますます夢中になって、分不相応の大胆な行動を考えてしまうのもわかります。この手の男は恋をすると、どこまでもバカですから、笑。『愛してる、愛してない』のオドレイ・トトゥほどではないものの恋に落ちた人間の脳内ストーリーと現実にはズレがある。この映画では、どの程度のズレなのかを曖昧にしたまま引っ張り、それはオチで明らかになりますが・・・・・・妙に納得がいってしまうんですね~。だからヒロインに腹も立たない・・・ってあれを許させてしまうヒロインは結局最後まで理想の女性像なのか。パトリス・ルコント監督は恋愛をよく描くけれど、基本は「(モテない)男の妄想」だと思うし、今回もやっぱりそう。

 こういう映画にシンクロしてたら、ますます恋愛観が偏るなぁ・・・。
 でも、まあいいものはいいってことで。