西遊記 リローデッド

 実は『チャイニーズ・オデッセイ 西遊記』(もちろん☆☆☆☆☆もの!)のレビューをしようと思ったのだけど、ネタバレなしではやっぱりムリなのでやめて、こちらを。うーん、やっぱりネタバレ気味だけどねー。

 ジェフ・ラウが再び『西遊記』に取り組んだ作品。
 このジェフ・ラウという監督、ファンタジー要素のある作品が多いが、その要素をうまく生かした展開・演出をするのが抜群にうまい。『フルブラッド』の超能力、とか『チャイニーズ・オデッセイ』の後半の怒涛の展開とか。そしてコメディ部分でのさりげない伏線の張り方(さりげなくないのかもしれないけどコメディ部分のテンションが高いので伏線だと気づきにくい)。
 
 で、この作品。
 CGを多用しすぎ、とか孫悟空たちが活躍しないぢゃん、とかそういう不満要素はあるけれど、やっぱりジェフ・ラウです。ギリギリでバランスを保っていた『チャイニーズ・オデッセイ』(以下、前作)に比べると、テーマ性をより押し出してきたな、という印象は受けるものの、ちゃんと娯楽映画であることも忘れてはいない。前作では孫悟空が主人公だったが、今回は三蔵法師が主役。まだまだ未熟な三蔵をニコラス・ツェーがみてて心配になるくらい頼りなげに演じている。セリフから察すると前作から話は続いている感じもするが、ただのファンサービスであまり深くつながりを意識していないのかも。

 ファンサービスと言えばプロデュース作『恋する惑星』へのオマージュ(?)として前作(もしかしてもっと前から?)以来使っている「一万年愛す」もやっぱり健在。どういう使われ方をしているのかは、お楽しみ。

 CG映像はちょっとなーとは思うものは、それ以外での役者たちの表情や演技がすばらしいから。特にブスメイクを施したシャーリーン・チョイ!みてるだけでなぜか胸がしめつけられる。というかブスメイクしてるときの方が魅力的ではないだろか?笑 彼女に振り回されるニコラス・ツェーもいい感じ。

 三蔵法師の恋、というありですか?というストーリーながら、今回も西遊記ならではの展開をさせるあたりはさすが。物語を盛り上げる久石譲の音楽もいい感じ。
 それにしても仏教って過酷だ。