GHOST IN THE SHELL 2 INNOCENCE INTERNATIONAL VER.

 実はレビューを挙げてなかった私の中で映画として、そして恋愛映画としてもベストの中の1本になるこの作品(ベスト恋愛映画の他の作品としては『歓楽通り』とか『ハンニバル』とか・・・あ、『ロングエンゲージメント』とかも好きですよ、笑)。
 
 そんなわけでチラ見して記憶を更新、サントラを聞きながらレビュー書き。ネタバレ気味でレッツゴー。
 ジャケット写真はインターナショナルバージョンのDVDジャケット。別に他国語字幕はいいんだけれど、日本語字幕があったらいいな、ということで私はこれを購入、笑。けっこう重宝してる。

 前作『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』のラストで素子にふられてしまったバトー(いいのか、こんな説明で?笑)が今回の主人公。で、事件が起こったりもするけれど核になるのは素子の影を追い続けるバトーの姿。ハードボイルドな雰囲気だったり、意味深な引用ゼリフに目が向くけれど根本はパトリス・ルコント作品などと同じ「もてない男の物語」。片思いの相手であった素子のセリフ「そう囁くのよ、私のゴーストが」をマネしてみたり、海で素子のように潜水してみたりする。そして自分への愛を貫くバトーを実体がないまま守護神のように要所要所で助ける素子。そして迎えるクライマックス。
 
 「聖霊はあらわれたまへり」以降は全部涙ものでしょう。バトーはこんな切迫した状況なのにこれを逃してなるものか!というくらいの勢いで愛を表現しまくり、笑。自分の上着を手品で小さく変えて(?笑)素子(が一時的に乗り移った義体)に着せてあげたり、「後ろは俺が固める、昔のようにな」とかもううれしそうなこと、うれしそうなこと。
 でもそれもほんの一瞬の出来事。生き方の違う二人。結局のところバトーは人間である。それに対して素子はすでに幸せを「懐かしい価値観」と考える人間を超越した存在。

 思えば前作は劇伴の歌詞からもわかるとおり素子の「神(=ネットの世界そのもの)との結婚」という話だった。超越者になってしまった素子の愛は要は「アガペー」、通常の恋愛は成立しない。けれども、それでもお互いに思い合えてるこの関係の哀しいけれど素敵なこと!ずっと1人を好きでいられることも素敵だし、実体をなくしても好きでいさせられるのも素敵。バトーはこのまま素子への愛を抱きながら孤独に生きていくんでしょう。そう「悪をなさず 求めるところは少なく…林の中の象のように」。(発情期の象は気が荒いとも聞くが・・・笑)。