オーロラの彼方へ

 なんだかタイムスリップもので面白いのはないか、ということで調べてこれはよさそうだと思って観たのがこれ。『オーロラの下で』というよく似たタイトルの映画があるせいで、南極でも舞台にした物語~という印象を受けるタイトルだが、これがなかなかに面白い。正確にはタイムスリップはしないのだけれど、過去は変える。

 過去を変えることで次々に事件が起こる、という点では『バタフライ・エフェクト』にも似ているのだが、あっちがショッキングな展開の連続だったのに対し、こちらは絶妙と言っていい緩急のつけ具合。全体的な流れにどこか切なさを感じさせつつ、次の展開がなかなか読めないこの面白さ。いったいどこに落ち着くのかハラハラさせられる。レンタル屋さんでDVDジャケットを手にとった時の地味~な印象とはかなり異なり、内容はなかなかのエンターテイメント。思わぬ拾い物とはこういうものなのかな。
 
 ストーリーの発端はオーロラの発生しているある日、古い無線機をいじっていたら誰かと通じる。話をしているうちにその相手が子供の頃に殉職した消防士の父親であることに気づく。つまり無線機を通じて過去と交信できるという話。で、父親にアドバイスすることで殉職から救うという話なのだが、それはほんのはじまりでどんどん話が展開していく。伏線の張りめぐらし方も本当によく出来ていて、もう一度観たらきっとより楽しめるんだろうな、というくらい。交信している2人が時間を隔てて同じ家にいるということで、それはありなのかーっ!!!という小技もみせてくれる。
 展開の面白さだけでなく、最初に交信がなされるときの鳥肌がたつような見せ方の巧さ、親子という設定ならではのやりとりなどしっとりさせるところもきっちりみせる。
 「いい話」っぽくはじまったけどどんどんジャンルすら変わってないか?という展開の合い間にドラマもはさみ、さてこれはハッピーエンドになるのか、それともやはり過去を変えるべきでないという結論なのか、はたまた『バタフライ・エフェクト』のような切なさで終わるのか、着地点が読めない。ハリウッド映画、やっぱり巧い!

 役者は息子のアドバイスを受けて奮闘しまくる父親を演じたデニス・クエイドが最高!中堅どころのスターだが私の今まで観た映画にはほとんど出てないみたい・・・。でもこの映画をきっかけに『ドラゴン・ハート』とか『アラモ』とか観てみましたよ。ついつい他にどんなのに出てたのかな、と気になるくらいよい!ちょっとウィル・フェレルにも似てるな~とか思って観てたけどね、笑。
 
 こんな風にまだまだ私が知らないだけで傑作はたくさんあるんだろうな~と思わされた一本でした。