敬老の日に観たのでした。

 「映画秘宝」では「敗戦国のスペースカウボーイ」とか「翁たちの挽歌」とか期待をあおりまくるフレーズで高評価だった本作。だけどそんなにいいか?と言われるとうーん…。
 たしかに日本映画の黄金期を支えた3人の俳優の味わいは否定しがたい魅力に満ちているのだが、話がなんとも退屈。全体的にセリフが空々しくて、それが老俳優たちが演じるとまだみていられるのだが、若い俳優たちが演じるとみていて恥ずかしくなってくる。話も物語上「悪役」が必要とはいえ、これが気分が悪くなってくるようなもの。東映ヤクザ映画の遺伝子を継ぐ映画という噂を耳にしていなければ途中でやめていたところ。最後の殴りこみで気分の悪さをスカっと解消してくれればいいのだが、あまりにもあっさり終わってしまうので不完全燃焼。この控え目っぷりがワビサビなのだよ、と言われるとそれまでだが、もうちょっと何とかしてほしかった。テレビドラマで『三匹のご隠居』というのがあったが、ああいうのがみたかったなー。

 とはいえ終盤、それまでの地味なドラマのテンションのまま東映ヤクザ映画をなぞる展開にはワクワクさせられる。老人2人が散歩にでも行くかのような画面なのに、やっていることはまさに道行き!静かに熱い。面白い映画ではないけれど、嫌いにはなれない作品。