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『おくりびと』がアカデミー外国語映画賞のノミネートということで話題になっていますが、監督の滝田洋二郎は1981年の『痴漢女教師』で監督デビュー、以後も成人映画で話題作を撮って頭角を現してきたらしい。そんな彼の1986年の作品がこれ。ちなみにこの年『コミック雑誌なんかいらない!』を撮っており、ロマンポルノ時代のほぼ最後の作品のようだ(他に同年に数本ロマンポルノがある)。
すでに一般映画への転進も図りつつ、ということもあってか、本作は非常に画期的な設定。なんとタイムスリップものなのだ!ヒロインが1986年から2001年にタイムスリップし探偵をしている未来の夫と出会い、元の時代に戻ろうとする様子をベッドシーンを交えながら描く。タイムスリップ+ハダカでタイムストリップ!?笑
事前に軽く調べたところ低予算ながら未来を感じさせる演出がいい、とか妙に評価が高かったのだが、ドラマそのものは平凡であっと驚くようなオチもない。未来描写も時代を感じさせるものをなるべくうつさず、申し訳程度に未来世界の定番「広告つきの飛行船」が飛んでるだけ(広告はヨドバシカメラ、笑)。ちなみに2001年の世界は第二次関東大震災で首都圏が焼け野原になったりしてます、笑 とはいえタイムスリップものにつきものの小ネタを随所にはさみ、ちゃんと飽きさせることなくみせる。ヒロインと結ばれた未来の夫が、それを妻である未来のヒロインにバレ怒られてるときに「(妻と同じ人物なんだから)浮気にならないんじゃ…」と言い出すあたりはロマンポルノならではのタイムスリップネタとして楽しい。
それほど唐突でもなくはじまるポルノ部分もそれなりに工夫を凝らしていて、たとえば透明のカプセルの中でいちゃつきはじめるカップル。なんでそんな狭いところで…と思っているとカプセルに押しつけられるオッパイ♪ なるほど~この画が撮りたかったのね!あとヒロインがある条件下で自慰をし絶頂に達するとタイムスリップという設定は妙に説得力がある、笑
キャストのほとんどは現在は活躍していない人ばかりだが、ヒロインの未来の夫を演じる螢雪次朗は今でも監督のお気に入りのようで最新作『釣りキチ三平』にも出演。こういうのは何かうれしい。
基本的に珍しさ以上のものはないけれど、エピローグのまとめ方がうまく妙にいいものを観た気分にさせてくれる。
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コメント
コメント一覧 (2)
東宝も松竹も東映も製作本数が激減してしまって、助監督に監督デビューをさせることができなくなっちゃってました。
TVの参入はもちろんまだ先の話で、角川映画が登場してきたばかり。
そんな中で従来通りに隔週で2本立の新作を作り続けたのが日活ロマンポルノでした。
滝田洋二郎の他にも根岸吉太郎、那須博之とか。
周防正行もロマンポルノを撮ってるし、自主映画から出てきた森田芳光や石井聰亙の商業映画デビューも日活でした。
キネマ旬報でもちゃんと毎号新作の紹介はされてたし、映画評もありました。
だから今のAVとはちょっと違った扱いではありましたね。
ちゃんと映画として扱われてたから。
製作本数が少ない時期というのはなんとなくわかってましたが、新人監督が日活からしか出せなかったとは!貴重な情報ありがとうございます!
ロマンポルノ出身というのは私にとっては別に何のマイナスイメージでもないのですが、5011さんの情報でむしろプラスイメージになりますね。Vシネマもそうですが、やっぱりこういう土壌がないと新人も育たないですからね…。今のAVから一般映画の監督出てくるとそれはそれですごいんでしょうけど、笑