ハーフ・ア・チャンス [DVD]ハーフ・ア・チャンス [DVD]
アラン・ドロン, ジャン=ポール・ベルモンド, ヴァネッサ・パラディ, パトリス・ルコント

ハピネット 2006-11-24
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 micchiiさんのところで『ボルサリーノ2』のDVD再発売が話題になっていましたが、その前作『ボルサリーノ』(観てることになってるけど小学生の頃なのでまったく覚えてない…)で共演したジャン・ポール・ベルモンドとアラン・ドロン。その28年ぶりの共演作…1998年の作品だから、もう10年も前の作品なんですね。 

 なにを隠そう、私にとっては初パトリス・ルコント作品。
 『髪結いの亭主』『仕立屋の恋』が話題になっているのは知っていたが、恋愛をうじうじ描いた映画は当時観たいと思わなかったこともあって彼の作品に触れることはなかった。アラン・ドロンもジャン・ポール・ベルモンドも特に思い入れはない。ただ格好いいジジイが大活躍という話は大好きだし、好きな歌手だったヴァネッサ・パラディ(今ではジョニー・デップの奥さん)が出ているというのもあって観てみたら…面白かったぁ♪

 ヴァネッサ・パラディは御大2人のどちらかの娘。『マンマ・ミーア』も同時につき合っていた誰かが父親という話だが、(予告編でみる限り)それはただの浮気女だろメリル・ストリープ!と思ってしまうけど、この2人なら「選べない」というのもうなずける。というかこの2人が思いをよせる女性ってすごいなと思わせるし、ヴァネッサの魅力もその娘として充分説得力がある。
 で、お2人…どちらもその作品をちゃんと観るのはこれがはじめてだったけれど、これが痺れる格好よさ!引退気味だったけどまだまだいけるぜ、という実際の状況ととうまく一致した役柄を楽しそうに演じている。演出も2人の魅力を引き出すことを第一にしているようで、ゆるい展開もあるが、その分2人のいろいろな表情をひと通りみせてくれる。どちらも同じように印象的というのも見事。クレジットの出方はジャン・ポール・ベルモンドが左側なので、こちらが格上ということになるのかな。

 サービス精神も旺盛で歌手であるヴァネッサ・パラディには「ハッピーバースデー♪」と歌わせるし、御大2人は(知らなくても)往年の作品を思わせるシーンがちらほら。
 『ボルサリーノ』ネタでは戦いの準備をするため武器庫に入った2人が「勘が戻るかな」と言いながらそれぞれいかにもギャング映画に出てきそうな古臭いマシンガンとモーゼルを構えるシーン。あとで知ったがこの時、静かに流れるのは『ボルサリーノ』のテーマ曲(ゆっくりめ)!

 すごいオチや仕掛があるわけではないけれど、とにかく大スターの魅力ってこういうものなんだなと思わせる作品。だって、もう2人が一緒の画面にいるだけで、楽しいこと、楽しいこと!

↓『ボルサリーノ』のテーマ曲はこちらで聴けます。


監督: パトリス・ルコント
楽: アレクサンドル・デプラ(最新作は『ベンジャミン・バトン』!)
出演: ジャン=ポール・ベルモンド アラン・ドロン ヴァネッサ・パラディ
109分 フランス